第2回:Debian 13 インストール直後の GPU 状態を正確に把握する

Debian

本記事の位置づけ

「これは2025年時点・NVIDIA実運用前提の判断です」
将来的にはXorgは縮小しWayland主流になっていくでしょう。

。本記事は、
Debian 13(Trixie)をインストールした直後の GPU 状態を確認し、
「まだ何も壊していない」ことを証拠として残す回
です。

  • NVIDIA ドライバは まだ入れない
  • 設定変更は 一切しない
  • 事実(ログ)だけ を確認する

以降の記事で行う作業は、
この状態から何がどう変わったか を追跡できるようにするためのものです。


検証環境(今回の実機)

  • OS:Debian 13(Trixie)
  • GPU:NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti
  • CPU:Intel Core i7-11700(内蔵GPUあり)
  • デスクトップ:GNOME(デフォルト)
  • 表示システム:Wayland(デフォルト)

※ Secure Boot:無効
※ NVIDIA 公式ドライバ:未導入


目次

  1. 本記事の位置づけ
  2. 検証環境(今回の実機)
  3. なぜ最初に「確認だけ」を行うのか
  4. PCI デバイスとドライバ割り当ての確認
  5. 表示システムと GPU の使用状況を確認
  6. この時点で分かること
  7. 次回予告

1. なぜ最初に「確認だけ」を行うのか

NVIDIA 周りでトラブルが起きたとき、
一番困るのは 「元の状態が分からない」 ことです。

  • 最初から nouveau が使われていたのか
  • Wayland で動いていたのか
  • どの GPU にどのドライバが割り当てられていたのか

これらを ログとして残しておく ことで、

  • 途中で詰んだときに戻れる
  • 他人の環境との差分が分かる
  • 「Debian 側の初期挙動」が明確になる

というメリットがあります。


2. PCI デバイスとドライバ割り当ての確認

まず、GPU がどのように認識されているかを確認します。

# VGA / 3D デバイスと、割り当てられているドライバを確認
lspci -k | grep -A3 -E 'VGA|3D'

典型的な出力例(Debian 13 初期状態)

NVIDIA Corporation GA104 [GeForce RTX 3070 Ti]
        Kernel driver in use: nouveau
        Kernel modules: nouveau

Intel Corporation UHD Graphics 750
        Kernel driver in use: i915
        Kernel modules: i915

この段階では多くの場合、

  • Intel iGPU:i915
  • NVIDIA GPU:nouveau

という割り当てになっています。


3. 表示システムと GPU の使用状況を確認

次に、表示システム(Wayland / Xorg)と
実際に使われている GPU を確認します。

# inxi が入っていなければインストール
sudo apt update
sudo apt install -y inxi

# GPU と表示システムの概要表示
inxi -G

出力例

Graphics:
  Device-1: NVIDIA GA104 [GeForce RTX 3070 Ti]
    driver: nouveau
  Device-2: Intel UHD Graphics 750
    driver: i915
  Display: wayland
  compositor: gnome-shell

ここで確認したいポイントは 3つだけ です。

  • 表示システムが Wayland であること
  • NVIDIA GPU が nouveau で認識されていること
  • Intel iGPU が i915 で動いていること

この状態は 正常 です。


4. この時点で分かること

ここまでの確認で、次の事実がはっきりします。

  • Debian 13 のデフォルト GNOME は Wayland
  • NVIDIA GPU はオープンソースドライバ nouveau で認識される
  • NVIDIA 公式ドライバは まだ一切関与していない

つまり、

Debian 13 は、何もしなければ
「Wayland + nouveau」という安全側の構成で起動する

ということが確認できました。


5. 次回予告

次回は、
この初期状態を前提に APT リポジトリを正式構成に整備 します。

  • non-free-firmware を含める理由
  • なぜ backports / experimental を使わないのか
  • NVIDIA ドライバ導入の土台作り

👉 第3回:Debian 13 で NVIDIA を使うための sources.list 完全設計